過去の講演会

2009.6.28  六館堂(京都・二年坂)/話し手:森本武(K's Point主宰)

演題:自己同一性滅失に向けた瞑想導入講演会

『「私」は「記憶」にすぎない。』

 ―J. クリシュナムルティの洞察を追体験する

聞き手は、あたかも自らが思考しているかのごとく、話し手の声をとおして、思索の断片がわがままに躍動しているのを感じながら、やがて一定の方向に収束していくさまを体験するだろう。そこには特段の発見も驚きもないのに、聞き手の意識に、これまでに認めたことのない考えや感情が、許されて活動しているのを感じるだろう。

聞き手は、自己という生の中心的根拠が、実体のない、ただの情報の集積体にすぎないと、やがて認めざるをえなくなるだろう。「私」においては、経験や思考の産んだ膨大な情報が集積されており、それらを想起する記憶作用において、自己認識が立ちのぼるにすぎない、と感じられるだろう。

それならば、実体としての「私」はどこにいるのか。記憶を再生する場としての生命と、「私」はどのような関係にあるのか。それに答えてくれるのは思考ではない。それだけは明らかである。生そのものが、聞き手に、その存在を、言語や他のいかなる形式の記号(情報)によることもなく、声なき声でつぶやくだろう。

「あなた自身が完全にいなくなったとき、そこに美が存在する。」
J. Kurishnamurti
Saanen, July 19, 1981 The Network of Thought


ー聞くという行為の中で、おのずと瞑想が想起する仕掛けの構築を、六館堂の異空間において実現したい。頭脳の狡猾さを欺き、その単純な記憶再生機能の仕事ぶりが、集団の共鳴によって暴露されるはずである。

▼講演内容

1. 3つのお願い

2. J. クリシュナムルティの瞑想

3. 質疑応答の記録

4. 参加者からの感想